重賞データcheck
 今週は阪神大賞典が阪神芝3000mで争われる。さらに愛知杯、フラワーC、ファルコンSも開催される。そこで、過去のデータからこれらの重賞レースの傾向を占う。
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第73回 阪神大賞典(G2)

3月23日(日) 阪神競馬場 芝3000m

 春の天皇賞へ向けたステップレース・阪神大賞典。現在の時期になった1987年以降、タマモクロスやメジロマックイーン、スペシャルウィーク、テイエムオペラオー、そしてディープインパクトなど、多くの名馬がこのレースと天皇賞(春)を連勝。近2年はジャスティンパレスとテーオーロイヤルがここに名を連ねた。
 過去10年の天皇賞(春)の結果を見ると好走馬の前走は年によって偏りがあり、2015〜18年の4年間は天皇賞3着以内馬12頭中8頭がこの阪神大賞典組だった。その後は日経賞組が押していたが、ここ2年は前述のジャスティンパレスやテーオーロイヤルなど、3着以内馬6頭中5頭が阪神大賞典組と揺り戻しがきている。そんな春の大一番へ向けた注目の一戦の、過去の傾向を見てみよう。
過去のデータをCheck!

チェック1優勝馬は3番人気以内だが……

 過去10年、1番人気は【5.1.2.2】で複勝率80.0%。残る優勝馬5頭も2、3番人気馬が占めており、4番人気以下の馬は好走しても2着までに終わっている。落ち着いた頭数で争われる年が多いこともあり、穴馬の激走は期待薄だった。
  ただ2019年にヒモ荒れで3連単8万馬券が出ると、20〜21年は、20年の1番人気・キセキが単勝1.6倍で7着に、そして21年のアリストテレスは同1.3倍でやはり7着断然人気馬が馬券圏外に敗退。近年は再び平穏な結果に終わっているが、年によって荒れるか否かの見極めが重要になりそうだ。
【人気別成績(過去10年)】
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1 5-1-2-2 50.0% 60.0% 80.0%
2 3-2-1-4 30.0% 50.0% 60.0%
3 2-0-2-6 20.0% 20.0% 40.0%
4 0-2-1-7 0.0% 20.0% 30.0%
5 0-2-2-6 0.0% 20.0% 40.0%
6 0-2-0-8 0.0% 20.0% 20.0%
7 0-1-0-9 0.0% 10.0% 10.0%
8〜 0-0-2-46 0.0% 0.0% 4.2%
【上位馬の人気と主な配当(過去10年)】
15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
1着人気 1 1 1 3 1 2 3 1 2 2
2着人気 7 4 2 4 6 5 2 5 1 6
3着人気 2 3 5 1 10 4 9 3 5 1
単勝 160円 300円 110円 560円 220円 590円 1,030円 120円 310円 330円
馬連 1,720円 670円 140円 1,290円 2,700円 3,720円 3,510円 780円 230円 1,590円
馬単 2,020円 1,150円 170円 2,710円 3,830円 7,120円 7,640円 880円 540円 2,490円
3連複 2,050円 810円 470円 760円 27,560円 7,550円 25,170円 1,680円 1,360円 1,770円
3連単 8,090円 3,310円 740円 6,530円 87,820円 40,140円 120,400円 3,930円 3,860円 10,660円

チェック24〜5歳馬優勢、人気馬が中心に

 年齢別では4歳が【4.4.2.11】複勝率47.6%、5歳が【3.4.5.18】同40.0%の好成績。6歳は【3.2.3.22】と好走馬こそ少なくないが複勝率は27.6%止まり、そして7歳以上は【0.0.0.37】と差がついており、まずは4〜5歳馬が中心となる。2019年は4、5歳馬が揃って不在という非常に珍しい一戦となり、6歳馬が上位を独占した。
 好成績を残す4〜5歳の好走馬は、過去5年では表に挙げた11頭。昨年のテーオーロイヤル以外の優勝馬4頭は、この4〜5歳から出ている。好走馬11頭のうち9頭は2000m以上かつG2以上で3着以内の好走実績を持っており、G1やG2、そして長めの距離での実績に注目。また、好走馬は上位人気馬が中心だ。
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【4〜5歳の好走馬(過去5年)】
馬名 年齢 人気 着順 前走 前走人気 前走着順 主な実績
20 ユーキャンスマイル 5 2 1 ジャパンC 4 5 菊花賞3着
トーセンカンビーナ 4 5 2 松籟S 1 1 (青葉賞16着)
メイショウテンゲン 4 4 3 ダイヤモンドS 3 2 弥生賞1着
21 ディープボンド 4 3 1 中山金杯 2 14 京都新聞杯1着
22 ディープボンド 5 1 1 有馬記念 5 2 阪神大賞典1着
アイアンバローズ 5 5 2 ステイヤーズS 4 2 ステイヤーズS2着
23 ジャスティンパレス 4 2 1 有馬記念 7 7 神戸新聞杯1着
ボルドグフーシュ 4 1 2 有馬記念 6 2 菊花賞2着
ブレークアップ 5 5 3 有馬記念 11 16 AR共和国杯1着
24 ワープスピード 5 6 2 ダイヤモンドS 3 3 (ダイヤモンドS3着)
ブローザホーン 5 1 3 日経新春杯 1 1 日経新春杯1着

チェック36歳以上は長距離実績を重視

 前述の通り、4〜5歳馬が不在だった19年は6歳馬が1〜3着を独占した。これら6歳以上の好走馬8頭(過去10年)をみると、4〜5歳勢に比べると格よりも距離が重要な印象で、ダイヤモンドSなど芝3000m以上のオープン・重賞で3着以内に入った実績馬が6頭を占めている。残る2頭は2019年の好走馬で、日経賞(芝2500mG2)勝ちのシャケトラと、日経新春杯(芝2400mG2)2着のロードヴァンドール。長距離のオープン・重賞実績に欠ける馬なら、4〜5歳馬同様に芝2000m超のG2連対実績が欲しい。
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【6歳以上の好走馬(過去10年)】
馬名 年齢 人気 着順 前走 前走人気 前走着順 主な長距離実績
15 ゴールドシップ 6 1 1 アメリカJCC 1 7 菊花賞1着
19 シャケトラ 6 1 1 アメリカJCC 7 1 (日経賞1着)
カフジプリンス 6 6 2 尼崎S 4 3 ダイヤモンドS3着
ロードヴァンドール 6 10 3 日経新春杯 11 13 (日経新春杯2着)
21 ユーキャンスマイル 6 2 2 有馬記念 13 11 阪神大賞典1着
ナムラドノヴァン 6 9 3 ダイヤモンドS 6 4 万葉S1着
22 シルヴァーソニック 6 3 3 万葉S 2 3 ステイヤーズS3着
24 テーオーロイヤル 6 2 1 ダイヤモンドS 2 1 ダイヤモンドS1着

チェック4栗東CW・併せ馬追い切り馬が好成績

 過去10年の出走馬の追い切りを「競馬道 調教マスター」で分析すると、栗東坂路組が【2.3.4.34】、栗東CW組が【8.5.6.32】で、この2コースだけで3着以内馬30頭中28頭を占める。まず栗東の坂路かCWコースで追い切られた馬が中心で、特にCWコース組が優秀だ。
 この2コースについて併せ馬か単走かで分類すると、どちらも併せ馬で追い切られた馬が優勢で、特に栗東CW・併せ馬なら【5.4.4.19】で複勝率40.6%の好成績だ。これに比べると栗東CW単走の複勝率31.6%は見劣るが、栗東坂路併せ馬の同23.8%よりは高い。なお、美浦追い切りで好走した2頭は、ともに南Wコースで併せ馬をしていた。
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【主な追い切りコース別成績(過去10年)】
コース 併せ 成績 勝率 連対率 複勝率
栗東坂路 2-3-4-34 4.7% 11.6% 20.9%
単走 1-1-2-18 4.5% 9.1% 18.2%
併せ馬 1-2-2-16 4.8% 14.3% 23.8%
栗東CW 8-5-6-32 15.7% 25.5% 37.3%
単走 3-1-2-13 15.8% 21.1% 31.6%
併せ馬 5-4-4-19 15.6% 28.1% 40.6%
美浦南W 0-2-0-10 0.0% 16.7% 16.7%
単走 0-0-0-3 0.0% 0.0% 0.0%
併せ馬 0-2-0-7 0.0% 22.2% 22.2%