重賞データcheck
 今週は3歳と古馬の中長距離戦、オールカマーと神戸新聞杯が行われる。過去のデータからこれらの重賞レースの傾向を分析する。
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第71回 オールカマー(G2)

9月21日(日) 中山競馬場 芝2200m

 中央競馬に所属するサラブレッドだけではなく、地方競馬の馬やアングロアラブ(サラブレッドとアラブの混血)の馬も出走可能なレースという意味合いで名付けられたオールカマー。アラブ系の競走馬が不在になり、地方競馬所属馬が出走できるレースが他にも増えた現在は、札幌記念や京都大賞典などと並ぶG1へのステップレースのひとつとなっている。  過去10年では2018年の優勝馬・レイデオロが秋の天皇賞を、そして2022年のジェラルディーナがエリザベス女王杯を、それぞれ次走で優勝。また2015年のショウナンパンドラは、天皇賞(秋)4着を挟んでジャパンC制覇を果たしている。今年はどの馬がG1へ飛躍するのか、過去の傾向を分析したい。
過去のデータをCheck!

チェック1好走馬の大半は7番人気以内

 過去10年の上位人気では2番人気が不振だが、1、3番人気はそれぞれ複勝率60.0%・70.0%などの好成績。優勝馬はすべて5番人気以内に収まっており、2〜3着馬も大半が7番人気以内から出ている。  年によって出走頭数に幅があるものの、10頭立て以下だった2回は3連単5万馬券と2万馬券、15頭立て以上だった5回中4回は2万馬券と、頭数に関係なく2万円程度の配当が多いのが特徴的。ただここにきて2022年、24年と少し大きめの配当が出ており、穴党の方なら高配当を狙いにいってもおもしろそうだ。
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【人気別成績(過去10年)】
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1 3-3-0-4 30.0% 60.0% 60.0%
2 1-1-1-7 10.0% 20.0% 30.0%
3 1-3-3-3 10.0% 40.0% 70.0%
4 2-0-0-8 20.0% 20.0% 20.0%
5 3-1-0-6 30.0% 40.0% 40.0%
6 0-1-2-7 0.0% 10.0% 30.0%
7 0-0-3-7 0.0% 0.0% 30.0%
8〜 0-1-1-62 0.0% 1.6% 3.1%
【上位馬の人気と主な配当(過去10年)】
15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
出走頭数 15頭 12頭 17頭 12頭 10頭 9頭 16頭 13頭 15頭 15頭
1着人気 3 1 5 1 4 5 2 5 4 1
2着人気 1 3 1 3 3 2 5 6 1 10
3着人気 7 6 3 2 6 3 3 7 7 12
単勝 760円 200円 780円 200円 1,120円 910円 470円 1,950円 560円 150円
馬連 1,010円 840円 1,700円 490円 2,240円 1,850円 1,980円 10,970円 1,020円 3,470円
馬単 2,390円 1,240円 3,700円 690円 4,660円 4,540円 3,580円 23,660円 2,620円 4,270円
3連複 5,030円 2,710円 3,340円 490円 8,450円 2,830円 4,340円 32,870円 5,380円 29,160円
3連単 24,060円 8,070円 20,150円 1,640円 54,310円 21,480円 21,980円 246,180円 24,340円 81,650円

チェック2好走確率では牝馬が牡馬を圧倒

 性別の比較では、牡・セン馬【5.7.9.92】複勝率18.6%に対し、牝馬が【5.3.1.12】複勝率42.9%と、牝馬が圧倒的優位に立っている。牝馬は基本的にはG1や牡馬相手のG2で結果を残していた馬の好走が多いが、2020年優勝のセンテリュオのように、重賞連対が牝馬限定のG3しかなかったような馬でも馬券に絡んでいるので注意したい。一方、牡・セン馬で優勝馬を出しているのは4歳と5歳のみ。特に4歳馬は複勝率38.9%と、牝馬全体に迫る値を出しているため注目が必要だ。
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【性齢別成績(過去10年)】
性別 年齢 成績 勝率 連対率 複勝率
牡・セン 4 3-1-3-11 16.7% 22.2% 38.9%
5 2-3-4-31 5.0% 12.5% 22.5%
6 0-3-1-25 0.0% 10.3% 13.8%
7〜 0-0-1-25 0.0% 0.0% 3.8%
5-7-9-92 4.4% 10.6% 18.6%
牝馬 4 3-3-0-2 37.5% 75.0% 75.0%
5 2-0-1-8 18.2% 18.2% 27.3%
6 0-0-0-1 0.0% 0.0% 0.0%
7〜 0-0-0-1 0.0% 0.0% 0.0%
5-3-1-12 23.8% 38.1% 42.9%

チェック3前走G1組が好成績

 前走クラス別の成績は、中央G1が【5.4.1.23】で複勝率30.3%、そして海外G1が【1.1.1.2】同60.0%と、前走G1組が好成績を残している。この前走G1組で好走した13頭はすべて本競走5番人気以内で、11頭は3番人気以内と人気馬が中心だ。また前走は13頭中10頭がひと桁着順。ただ前走3〜4着あたりはあまり目立たず、前走5〜7着馬が【2.3.1.2】複勝率75.0%と抜群だ。
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【前走G1からの好走馬(過去10年)】
馬名 人気 着順 前走 前走人気 前走着順
2015 ショウナンパンドラ 3 1 宝塚記念 11 3
ヌーヴォレコルト 1 2 宝塚記念 3 5
2016 ゴールドアクター 1 1 天皇賞(春) 1 12
サトノノブレス 3 2 宝塚記念 10 8
2017 ルージュバック 5 1 ヴィクトリアM 2 10
ステファノス 1 2 安田記念 4 7
2018 レイデオロ 1 1 ドバイシーマC 4
アルアイン 3 2 QE2世C   5
ダンビュライト 2 3 宝塚記念 5 5
2019 スティッフェリオ 4 1 宝塚記念 8 7
2021 ウインマリリン 2 1 天皇賞(春) 8 5
グローリーヴェイズ 3 3 QE2世C 2
2023 タイトルホルダー 1 2 天皇賞(春) 1

チェック4近年はG1以外からの好走馬が多数

 過去10年の複勝率は前走G1組が高いものの、ここ5年は好走馬の大半が前走G1以外の組から出ている。これらの馬の前走は目黒記念か、サマー2000シリーズを中心とした2000m戦に出走していた馬が多い。また、昨年2、3着のアウスヴァール(函館記念3着)やリカンカブール(中山金杯優勝)など前走でこそ崩れていても、年明け以降の重賞で馬券に絡んでいた実績馬が多い傾向だ。
【前走G1以外からの好走馬(過去5年)】
馬名 人気 着順 前走 前走人気 前走着順
2020 センテリュオ 5 1 マーメイドS 2 2
カレンブーケドール 2 2 京都記念 2 2
ステイフーリッシュ 3 3 目黒記念 7 3
2021 ウインキートス 5 2 札幌記念 5 9
2022 ジェラルディーナ 5 1 小倉記念 1 3
ロバートソンキー 6 2 日本海S 1 1
ウインキートス 7 3 目黒記念 8 3
2023 ローシャムパーク 4 1 函館記念 1 1
ゼッフィーロ 7 3 目黒記念 3 4
2024 レーベンスティール 1 1 エプソムC 1 1
アウスヴァール 10 2 札幌記念 9 7
リカンカブール 12 3 函館記念 11 8

チェック5美浦南Wで3ハロン38.6秒以内が好成績

 パソコン用調教分析ソフト「競馬道調教マスター」を利用して過去10年の出走馬の追い切りを分析すると、最多の6勝を挙げているのが美浦南Wコース追い切り馬。ただ複勝率は23.0%と高くはなく、さらに細かな区分が重要になる。
 ポイントはラスト3ハロンの時計で、美浦南Wコースで38.6秒以内だった馬にかぎると【5.4.4.21】複勝率38.2%をマーク。38.7秒以上だった馬は【1.0.0.26】同3.7%で、好走したのは2018年に1番人気だったレイデオロ1頭のみだ。なお栗東組は、CWコース追い切り馬のほうが連対率や複勝率は高いが、1着候補とするなら坂路追いのほうが良い

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【主な追い切りコース別成績(過去10年)】
コース 3ハロン 成績 勝率 連対率 複勝率
美浦南W 6-4-4-47 9.8% 16.4% 23.0%
〜38.6秒 5-4-4-21 14.7% 26.5% 38.2%
38.7秒〜 1-0-0-26 3.7% 3.7% 3.7%
美浦南坂 0-2-1-14 0.0% 11.8% 17.6%
栗東CW 1-2-2-13 5.6% 16.7% 27.8%
栗東坂路 3-1-3-25 9.4% 12.5% 21.9%